「あれ?…俺…なんか追いかけてきちゃった…。あ、ごめん。えと…どうしよう。」


一人でオロオロしている葵くんを見ると、自然とほっぺが緩んだ。



「急に逃げちゃってごめんなさい。私のこと…わかる?」


「えと…ごめん、」


「だよね。大丈夫大丈夫。私は2年1組の早坂花梨です。葵くんにメアド聞きたくて4組行ったんだけど、急に葵くんが現れたからびっくりして逃げちゃったの。ごめんね?」


私が少し笑ってそう言うと、


「そうだったんだ。俺こそごめん。急に後ろから現れられたら、誰でもびっくりするよね。」

と言って葵くんも笑った。