声が出なかった。


足も動かなかった。



ただひたすら、葵くんの上下に揺れる肩を見て、嬉しくて泣きそうになった。




いきなり逃げたから…追いかけて来てくれたんだ…。



しばらくの沈黙を破ったのは葵くんだった。