「…いっつもひらひらした服着てるよね。好きなの?」
きっかけは、このひとこと。
蓮也さんがお休みだから、またお家に遊びにきちゃった。三人でお茶してたら、わたしの格好を見ていたトレーナー姿の凛ちゃんがつぶやいた。
「うん、好き! だから、だいたいこういう感じになっちゃうよ」
「ふうん…」
「ああ、陽菜にあってるもんな、そういう格好」
「え! 本当? 蓮也さん」
「ああ」ってうなずく蓮也さん。きゃあ~、やった! …あれ? いつもなら凛ちゃんが何か言ってくるのに…。じいっとわたしの服を見てた。
「ね、凛ちゃんはどういうのが好きなの?」
「わかんない。興味なかったし、どういうのがあるか知らないし、どれが似合うなんて考えたことなかった」
「そうなんだ…じゃあさ、行ってみよ! じっさいお店に行って見てみようよ! 凛ちゃんににあいそうな服、いっぱいあるよ!」
「え…」
ちょっと戸惑っている凛ちゃんの手を取る。
「凛ちゃんかわいいんだから、おしゃれしないともったいないよね!」