「おお~っ、かっこいい~、でも、かわいい~」
駐車場から蓮也さんが乗ってきた車、ビシッとした赤がキマッてる、コロッとかわいい外国の車だ!
う~ん、蓮也さん、似合うっ!
「ぼーっとしてるないで、乗れよ」
…あっ、いけない。窓から顔をのぞかせて見上げる蓮也さんに、つい見とれてしまった。
「前に乗りたいんでしょ…乗れば?」
となりで凛ちゃんがぼそっと言う…あぁ、なんか視線が冷たい…
「いぃえぇ、どうぞどうぞ、凛ちゃんは前に乗って! お姉ちゃんはうしろでいいからね!」(うう…っ、今日一日、なんか試される感じ…)
「あ、そ」
そう言ってスタスタと前を回って右側の助手席に乗り込む凛ちゃん。わたしはおとなしく後ろに乗る…。
「じゃあ、行くか」
後ろをふりむいて、こっちに声と視線を送る蓮也さん…ああ、すてき…。前をむいた彼の右腕が、シフトをさばく。
ああ…もう、どこへでも行っちゃいます…たとえ妹が一緒でも…たとえ向かう場所が…