「凛、お姉ちゃんが凛もいっしょに出かけないか、って言ってくれてるんだ」
「…なにそれ、バカみたい。なんでわたしが二人のデートに付きあわないといけないの?」
トレーナーのフードで顔を隠しながら、そっけなく言う凛ちゃん。
「まあそう言うなよ。お前もたまには外の空気をすったらどうだ」
あ、この子、ヒキコモリなんだ。んー…よし!
「そうだよ~、凛ちゃんが来ないと、わたし蓮也さんといっぱい腕くんで、いっぱいくっついちゃうよ~」
「ダメーっ!! それはダメ!! お兄ちゃんは凛のものなの! 他の女となれなれしくしちゃダメなの!! 凛もついてく!!」
ふふっ、成功、成功。なんてわかりやすい子だ。
「よし! じゃあ、凛ちゃんの行きたいとこ、行こ!」
そう言ってわたし、凛ちゃんのことギューって抱きしめちゃった!
「わぁっ! きもっ!! さわるな! ちかづくな!! はなせ、バカ!!」