「…凛、入るぞ」




蓮也さんが凛ちゃんのドアをノックする。




ドアには『お兄ちゃん以外立ち入り禁止』のプレートが。




うーん、なんか徹底してるなぁ。




蓮也さんがドアを開けると…いきなり抱きついてきた!




「アンアン!!」




「うわ、うわわ~、か、かわいい~」




「あ~、こら、メル! そっち行っちゃダメ!」




ちっちゃい犬が吠えながらわたしに突進してきた!




「あ~、この子知ってる! パピヨンだぁ!」




「こらぁ! メル! 敵にちかづくなぁ!」




そういってベッドから裸足で駆けよってわたしからその子を奪いとると、またダダッと走っていってベッドの上であぐらをかいた。




おっきなベッドが机と隣り合っていて、上にはでっかいパソコンがおいてある。ベッドの上や床にはゲームセンターにあるようなヌイグルミが、山のように積んである。




それらにまじってたくさんのゲーム機とコントローラーがからまり合って、これまた山のようになっている。




他の所はきれいなんだけど…何にもないっていうか…女の子っぽくない感じ? わたしの部屋とは、全然違う。
全体的に色気がないというか…男の子の部屋? って感じ?




「…何しにきたの」




太ももの上にちょこんとメルちゃんをのせて、こちらを見ないようにしてゲーム画面をにらんだままの凛ちゃん。




この子もゲームが大好きのようだ。しかも、そうとう。