「またせたな、じゃあ、行くか」
ライダーススーツに身を包んだ、いつもの蓮也さんがそこにいる。
ようやく、待ちに待った、わたしたちの初デートが始まる…はずなんだけど…。
「あの…いいんですか、凛ちゃんあのままで。ずっと自分の部屋にこもりきりのようですけど…」
「ん…ああ、大丈夫だろ。あいつのイタズラでお前に迷惑かけたんだし。しばらく反省すればいいさ」
そんなこと言ってるけど…顔が心配そう。蓮也さんって、ほんと、嘘がヘタですよ。
「よし! 蓮也さん! 今日は凛ちゃんも連れて行きましょう!! や、いきなりふたりきりってのも、アレだし、パアーっと三人で、凛ちゃんの行きたい所にいきましょうよ!」
そう言ったら、蓮也さん、ちょっとうれしそうな顔した!
えへ。蓮也さんが喜んでくれるなら、わたし何でもします! 凛ちゃんも、きっとうれしいよね~、みんなでお出かけするの。
「…でもあいつ、部屋から出てくるかな…?」
「へ…?」