「え…」
お兄様…てことは、妹…?
ぽかーんとしているわたしの前に、今度はあの声が…。
「りーん、だれと話してるんだ」
バスローブをまとった、蓮也が姿を見せ…れん…や…。
卒倒…。
しませんよ!
これを見逃したら、死んでも死にきれません! 目を離そうにも離れないんですから!
ただ、すさまじい色気にわたしの思考回路は完全にショート。毛先から滴りおちるシズクをまとって、蓮也さんがこっちに歩いてくる。
うわあぁぁ…。
「ん…、ひな…なんでここに?」
「え、なに? 自分で呼んどいて…って、アレっ? もしかして、あのメール…」
「ぶっは~!! おバカさんでも、きづいちゃったね! ダマされて頭きたぁ?」
ケラケラと笑うその子。
むっか~、ホントにダマされた…でも、でも、怒るのはそこじゃない。
悲しい怒りが、全身にわきあがる。
「大事な人がケガして、かけつけるのはバカじゃないっ!!」
感情が爆発した。