「名前は…鷹井優一…誕生日も言うの?」
「はぁ…誕生日は9月20日です」
「乙女座…だけど? 星座って興味ないしね…男はみんなそうじゃん?」
「メガネ? 中学から」
「べつにカッコつけてかけてるわけじゃないよ…目がいいにこしたことないし…桜木さんは、目が大きくてきれいだね」
「…そんなに照れないでよ…え、趣味?…まぁ、ゲームかな」
「恋愛ゲームの中の女の子は男性が理想とする女の子ばかりだからね、すべての女性はこうあるべきだね」
「気持ち悪いじゃなくて! あ、桜木さんもやって勉強すれば? ちょっとは男心がわかって、モテるんじゃない?」
「イテテテっ、つねるなよ!」
…あなたの声も欲しいから、ダダこねて送ってもらった。自分だけやるのも、恥ずかしかったし。
最初のあなたは、なかなか自分の世界から外に出てこようとしなくて、どこか遠くに感じられた
わたしはただ、あなたの声を身体にしみ込ませることしかできなかった。
細心の注意を払って。
あなたの声を、一つたりともこぼさぬようにと。