「桜木さん、それじゃただの朗読です。あなた春からの授業ちゃんときいてるの?」
しん、とした教室の中でも、みんなの心の声が聞こえてくる。
『ああ、怒られてるがわたしじゃなくてよかった』
『またあいつ怒られてるよ…やる気あんのかよ』
『彼女ナレーター志望でしょ? ちがうの? あんなに地味なのに?』
…聞きたくない声ばかりが聞こえてくる。
でも、そんなのどうでもいい…もう、慣れた。
わたしはこの声優の専門学校に来る前から、傷つく心すらなくしてしまったから。
だから、平気。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…