「え…」




それまでのなごやかな雰囲気が、一瞬にして変わった。




言葉を発した優一くんをみんなが見つめる。




優一くんはわたしと目が合うと、すぐに下に視線を落とした。




「声優なんて…あんなの詐欺だよ。演技で人をたぶらかして…まどわして…声だけで、まわりがキャーキャーいって。ちょっと人よりいい声だからって、ちやほやされてんだから」




はあ!?




「…なにそれ。優一くん、あんたひがんでんでしょ。
かっこわるいよそんなの! あの人たちは、きちんと努力したからああいったことができるんだよ。きちんと言葉で想いを伝えられる、こんなかっこいい仕事ないよ!?
そうやって、いっつも一人でしゃべらずに引きこもってる優一くんのほうがよっぽどいい気になってるよ! 
だれかがこうして慰めてあげないと、自分の殻から出て来れないんだから!」




「ちょっ…陽菜、いいすぎ…」




エリカの声でハッとした。




ありさちゃんも泣きそうな目でこっちを見てる…。




やば…やっちゃったよ、わたし…。