忠告しても自由人たる雫は窓をあけた。


やはり冷たい風が入ってくる。


「風邪ひけー、風邪ひけー」


「窓をあけたのはそのためかっ」


雫の陰謀があったのにびっくりだ。


「えへへ、風邪ひいたそーちゃんをウチが看病するんだぁ」


雫の策略があったのにもびっくり。


「看病って……。来なくていい。冷えピタ一枚で僕は風邪をやっつける」


「えー、つまんないなぁ。小さいころはお見舞いになんどもいって、看病してあげたのに」


「雫のお見舞いの思い出を持ち上げると、熱出して寝ている僕に水をぶっかけた時の話を持ち出すぞ」