「いや、親父も引退して家買ったし、とりあえず引っ越すことはなさそうかな。」 


寺崎くんの答えに、ほっとする。 


「そっか、良かった。」 


なっちゃんも嬉しそうに笑う。 



その時、一瞬だけど蓑島くんが、意味ありげに寺崎くんを見た。 



そして、時計を見ると、 


「そろそろ帰る?」 



と、立ち上がった。