危険な賭け…… しませんか?









*゚-*゚-



「先輩~、ドコ行くんですか~?」



今は放課後、
先輩に呼び出されて
ドコかに
連れて行かれる
途中……



ついてって
平気か……?
←信用してない



「お前は黙ってついて来い。」



……………
(;`皿´)



「…は~ぃ…」



その後は無言。



この人と会話続かないょ……(泣)










連れて行かれたのは……


「寺………?」



つーか、どっかで見た気が……



ぁ………!!



「先輩ん家!!」



こ、ここはいつぞやの先輩ん家……!



何ゆえに?



「上がって。」

「へ?ぁ…はぃ……」



お寺の中に上がると、なんだか懐かしい感じがした……



「ぉじゃまします……」



そっと家に上がる。



ーつるっ



へ?
ΣΣ(°□°;)



ズデダンガダガーーーッッッン!!!!



ものすごい音がして、私は転んだ。



「…佐原?おま…」



まだ家に上がってなかった先輩が、不信そーに私を見る。



なんなんだ、
一体……



ーだだだダダダっ!!



なんだ?



先輩に手をかしてもらって起き上がろうとしている私。



向こうから走る音が……?



「ィエーイ♪♪引っかかったなぁ?和くんめ♪♪そこにはさっきワックスを………ぁれ?」

「随分とゴキゲンだなぁ‥?親父……」



お父さん……?



ゴゴゴ…
後ろからそんな音が聞こえそうな先輩の黒いオーラ。



お、落ちついて……



しかし、私の願いもむなしく……



「イイ年したジジィが調子こいてんじゃねーぞ…?」



ぁわわ……
(°°;)汗



先輩はお父さんの胸ぐらを掴み殴ろうとしている。



し、知り合いの流血事件ゎイヤー!!



「ま、待ってください!」

「どきな、佐原。」



ぅお……
←引き



とばっちりゎ……
もっとイヤー…



「ど、どーぞどーぞ!!」

「えぇー!!?ちょ…まさかの裏切り行為!?」



イヤ、
私、知りませんから。



「佐原を巻き込んでじゃねーょ……」

「たっけてー!!」

「黙れ。」



そう言うと、先輩はお父さんをボコにした。



お、恐ろしい……











ボコボコになった先輩のお父さん。



ぅわぉ……



「せ、先輩…?いいんですか?」

「死して屍拾うものなし。」



えぇー……
怖いよ(ノ△T)



「で?その子が電話で言ってた琥珀ちゃん?」



蘇生(?)した先輩のお父さん。



ぇ、何……?
先輩、私の事お父さんに話してたの…?



いつのまに……



「そぅ、だから部屋開けといてくれた?」



部屋……?



「もちろん♪ウチをなんだと思ってんの?和くん、寺だよ~♪あるに決まってんじゃん、部屋くらい♪♪」



いや、だから部屋って……?



「先輩?どーゆう事…?」



私が聞くと先輩はニヤリと笑った。



「お前、俺ん家に住めよ」



と、言った……




はぁぁぁあああああっっっっ!!!??













あれから2日…



「佐原、これは?」
「あぁー、いーです。捨てて。」

「ん」



先輩ん家に引っ越すための荷物運び……



実はあのあと……




*゚-*゚-




『せ、せせせ先輩!?ウチに住めよって……!?』




動揺しまくる私。



『どーゆう事ですか!?』

『そのまんまの意味だけど~?』

『は!?』



よく話を聞いてみると……



『つまり…私の話を聞いて、一人暮らしはつらいだろうという事で、先輩ん家に住む事に……?』

『俺はそんなに優しい考え方を抱いてはいないが……』

『は!?』




訳わかんねーよ!!



『まぁ♪いーからいーから♪うちなら部屋いっぱいあるし♪遠慮しないで♪♪』



笑顔のお父さん。



『で、ですけど……』

『黙れ。お前に拒否、選択権などない。』



ひでぇ……



『でも!人の手を借りるのは申しわけなさすぎ……』



『黙れと言ってんのがわからないのか?』



ぐ……



しかし!
ここで負ける訳には……!!



『でも!』



言い返そうとしたら……



『あ”?』



うっ……



何も言い返せない程の眼力で睨まれた。






*゚-*゚-





「佐原!サボってんじゃねぇ!」

「か、かしこまりました!!」



驚きすぎて変なセリフがでた。



「ぶ」



は、鼻で笑いやがった……



(;`皿´)……



「ほら、段ボール♪♪」

「ぐぇ!重っ!」

「大丈夫♪お前ならへーきだって♪♪」



私ならって……



偏見じゃね!?



先輩に段ボール箱を三個持たされた……



これが重くない訳ねーだろ!!



「ぐぉぉ…負けてたまるかぁ!」



先輩ん家が借りてきた軽トラに段ボール箱を乗せる。



「どっせぃ!!」



ふー、とため息をつく。



私、



「これからやってけんかなぁ……」



見上げた空は
青く澄み渡っていた……









約三時間半かかって引っ越しの準備が済んだ。




「じゃ、先にもってくよー♪」

「よろしくな」



先輩のお父さんが軽トラを運転して先輩ん家に荷物を運ぶ。



私と先輩は歩いて帰る事になった。



ちなみに今日は日曜日、学校は休み。



だからのほほんと2人でまったり帰っていた。



ー♪~♪♪



携帯の着メロ。



私のだ。



メールを開くと…



「るいだ♪」



「萱島?」

「はい。“引っ越し終わった?”だそうです。」

「ふーん」



そういえば先輩とるいは知り合いだったけ……



なんの?



「ぁの~、先輩に質問……」

「何」



相変わらずそっけねぇな……
(;`皿´)



「先輩とるいはなんの知り合いなんですか?」

「あぁ…別になんも…中学の時に一緒だっただけで……」



それだけ?



「あと、中学の時、俺の部活のマネージャーだったからな……萱島は俺の顔にキャーキャー言わないから話しやすかった。」



ほー…



確かにるいは、
人より美的感覚ないしな‥



「先輩、なんの部活だったんですか?」



「えー…バスケ。」



なるほど。
納得ーー…
身長でかいもんな。



「高校では?」

「タリーからやってねーの♪♪」



あぁ、そーかい(怒)



それから、
先輩や私の事や、
たくさん話した。



中学の事、
好きな食べ物、
たくさんたくさん……




あらためて思ったけど……



私、
先輩の事、
何も知らないんだな……



そう思うと少し胸が痛んだ。



この胸の痛みの本当の意味を私はまだ、



知らない…………










*゚-*゚-


1時間程かかって先輩ん家に着いた。



先輩のお父さんが荷物を運んでくれていた。



私の部屋は先輩の部屋の隣……



な、なんか……
恥ずかしいな…



「佐原、これお前のだべ。」



先輩が手に持っているのはくまのぬいぐるみ。



「あぁ♪私のです♪」

「もうボロじゃん、それ。捨てれば?」



くまのぬいぐるみを見て言う。



私は先輩からくまのぬいぐるみを奪い返す。



「イヤです!これだけは捨てられませんから!」

「な~んで?」



憎たらしい……
←(怒)



「これは!私の両親の形見なんです!」

「形見?」



そう、これは形見。



両親は旅行から帰ってくる時に事故にあった。



このくまのぬいぐるみは私へのおみやげだった……




「へー…まぁんな事興味ないから早く片付けろよ?」



そう言うと先輩は私の部屋から出て行った。



興味ないなら、
別にいーじゃんか……














夕方、
先輩ん家の台所で料理をつくる。



これからお世話になるため、私は家事係を任された。





「なーに作るの?」

「うひゃぁ!」



背後に立っていた先輩が私の首筋に息をかけてきた。



くくく、くすぐったい……!!



「そんなに驚かなくてもいーじゃん。きっずづくーー」



そう言うと先輩は私から離れてダイニングテーブルのイスに座る。



驚くって!そりゃあ!



バクバクと鳴る心臓を必死に落ち着かせる。



「佐原。」



ふいに先輩に呼ばれる。



「耳、真っ赤。」

「ふぇ!?」



とっさに耳を手で隠す。



「かーわいー♪♪」



クスクスと楽しそうに笑う先輩。



なんでー…



「先輩…?」

「なーにー?」

「先輩は…どうして私にここまでしてくれるんですか?」



なんで……



他人の私に、
ここまで…



そんなに優しくされたら……



勘違いしそうになる……



「さぁ…?よくわかんないな…」



わかんない……?



「なんで佐原にここまですんのか……自分でもわからない。」



なに……それ……



「もしかしたら……」



そう言うと先輩は立ち上がって私に近づく。



「………」



キッチンと先輩に挟まれる。



先輩の顔がぐいと私に近づく。



唇が少しでも動けば触れてしまうほど近く………



「俺……」



ービクッ



先輩の吐息が唇にかかる。



先輩は結んでいた私の髪をほどき、一束つかむ。



そして髪を自分の唇へと持って行く。



私の髪に先輩は軽く口づける。



私は先輩の瞳から目が離せなくて……



「佐原の事、好きなのかな……?」




え……………?















『佐原の事、好きなのかな……?』




その言葉が私をかき乱す。



先輩………?




な……にを…
言ってるの……?



今の私はきっと、
真っ赤だ。



恥ずかしい……!!



先輩も、
会ってまだ短い私に、なにを……



さっと先輩から目をそらす。



けど、先輩は私を見つめていて……



突き放す事も、
何かを言う事も
できなくて……



なにもできない私は……




ミジメだ…………




「佐原……?」



ードキッ



先輩が私を呼ぶ。



私はなにも言えなくて………



ただずっと、
俯いたままだった……



「さーはら♪」



いきなり先輩が私から離れる。



先輩を見ると、
先輩の顔はさっきまでの真剣な顔とは違う、どうにもふざけた顔をしていた。



「ジョーダンだって♪そんなマジにとんなよ。」



ジョーダン……?



「ごめんな?ドキドキした?」



先輩の手が私の頬に触る。




「し、してません!気が散るので向こうに座ってて下さい!!」



先輩を突き飛ばし、また料理を続ける。



「そう……わかったよ……」



そう言うと先輩はキッチンの壁にもたれかかる。



「でも佐原……?」

「な、なんですか!!」



必死に冷静を装う。



「いつかそんな強がり……言わせなくさせてあげるよ………」



ードキッ



「じゃーね、ご飯できたら呼んで?」



そう言うと先輩はキッチンから出て行った。



先輩がいなくなるのと同時に足の力が抜け、床に座り込む。



「な、なんなんだよ !!変態スケベ野郎!!」












side:和哉



運なしの女を家に連れてきた。



正直、なんでかわからない。




こいつの話を聞いて同情した……?



いや、違う。



少なくとも、同情ではない。



でも、同情以外ならなんだと言われても、わからない……



ただ、興味をもった。



運なしは見ててわかったが、俺に運を上げろと、コイツは言ってるようなもんだ……



無理だ。



俺は神かっての。



でも、せっかくだから利用させてもらおうと思った。



他の女をまくなら丁度いいし、いい暇つぶし程度だし?



何より、反応がおもしろい。(笑)



今日もいつもの様にコイツをからかうつもりだった……



けど、あいつが俺の予想と違う事を言ったから……




「先輩は…どうして私にここまでしてくれるんですか…?」



正直、困った。



だって理由は俺にもわからかったから……



「さぁ…?よくわからないな…」



これが、今の俺の思っていた事だった……



会って、まだ短い女に別に感情を抱くのは無いと思ったから……



佐原に近づく。



いつも結んでいる佐原の髪をほどく。



俺の行動一つ一つに反応する佐原。



やっぱコイツ、面白ぇ(笑)



こんな事言ったらコイツ、きっと赤くなるだろーな。



少し、真面目な顔をする。



「俺…佐原の事、好きなのかな…」



俺がそう言うと、やっぱり超赤面の佐原。



これ以上からかうとやばいかな…?



「佐原…?」



俺がそう言っても佐原は下を向いたまま。



なんだ…?
けっこう可愛い……



「さーはら♪」



佐原から離れて、ジョーダンだと言う。



確かに最初はジョーダンのつもりだった。



けど、今は……



くそ、なんだよ、この気持ち……



「ごめんな?ドキドキした?」



気を紛らわすつもりで佐原に言う。



だけど、佐原の口からでた言葉に、俺は予想以上にショックを受けた。