『海斗…言ってくんないと…わかんないよ…何があったの?』

こんな弱った海斗見たことない…。

「未由…俺…もうやだ…」

『やだって…何が?』

「なんか…何もかもが。俺…強くなんかねぇんだよ…。」

『海斗…?』

「金持ちなのは…今のうちだけだ…もし会社が潰れでもすりゃあ逆転するし…今のままだとしても金持ちなのは家で親父の金であって俺の金じゃねぇ…俺自身は何もねぇんだよ…」

自虐的になる海斗に私はこんな場面で不謹慎ながらも

弱ってる海斗に恋をした…。

いつも頂点に立ってるような人物が

こんな弱みを持ってたなんて…。

すごいギャップで。

私は落ち込んで下を向いて小さくなって座ってる海斗の頭をぽんぽんと撫でた。