そんなジンらしくない発言に。

私は足を止めてしまう。

もしかして酔っ払っているのかしら?

私達がいつも飲む量と比べれば、そんなに飲んでいないはずなのに。


「アキホに助けてもらった事。
沢山あるから。
だから……ありがとう
あと、これからもよろしく」

まじまじと見る私の視線から、逃げるように目を逸らしたジンは。

とても早口でそう言った。


そして私の手から鍵を奪うと、一人でさっさと私の家の中に入ってしまった。

その場所に取り残された私は。

心の中でジンの台詞をリピートし続けた。