そのままお互いに話す事なく歩いて五分。

私の家が見えてきた。

スムーズに家に入れるように、ポケットから鍵を取り出す。

まず、お風呂に入って……


「なあ、アキホ」

頭の中で予定を組み立てていた私の思考は、ジンの声によって遮られる。


「なに? どうかしたの?」

隣を歩くジンを見上げる。

その顔は相変わらず完璧で。

私はボロボロになっているであろう自分の顔と比べて、ムカついてしまった。


「ありがとう」

「……はあ?」