俺たちが出会えたのは、ほぼ奇跡に近かったと思う。
あの日、俺は機嫌が悪く、家を抜け出してなんとなくで海にいった。
海につくと、やはり冬の海は冷たかった。でも、それに負けないくらい星が輝いていた。
少し歩くと、誰かいるのに気がついた。
そこで出会ったのが、憂璃だった。
憂璃は、泣いていた。
俺の存在に気づいて涙をぬぐってこっちを向いた。
「だれ?」
透き通るような綺麗な声で俺に訪ねてきた。
「桜星高の生徒。雷芽だ。」
俺にしては優しく答えた。
「私は、美空中の生徒の憂璃。」
「…中学生がこんなところでなにしてんだよ。」
「ガキ扱いするな。わたしは用事があってここにいるんだ。」
「なぜ泣いてる?」
「泣いてない。そうでも、お前に言う筋合いはない。」
彼女の第一印象は、無愛想で冷めてて、あまり良くなかった。
でも、その時俺は、彼女を守ってやりたいと思った。