僕は
 「“俺も同じ”だよ」
 と言った。

 振り返ると、ちょっと恥ずかしい。

 
 「そっか」
 彼女は少しだけ微笑む。
 「ごめんね。だから傷付いた。私が、オマエを裏切ったから。意味深な事言って、オマエを心配させといて、裏切った。ゲームに勝つために。普通の人なら傷付かない。気にもしない。でもオマエは―― 私達は――」


 「…あ、まぁ」
 僕は両手の平を見せて、彼女の言葉を切った。
 気にしてない、というのをアピールした。
 
―もういいんだ。 
たとえ0.1%でも心を共有する事が出来た気がしたから
同級生の奴等とは一年付き合っても0.001ぐらいさ。
出会って1時間で0.1%なんて、アンタだけだよ。

 
 ……つーか、熱いな。
 学食、冷房はどうした? 熱いよね? 
 そこの野球部、なに、鍋焼きうどんとか食ってんだよ。
 
 へ? 熱くない? なんで――


 僕は、僕の頬が火照っているのを感じた。

――冗談……冗談じゃない…?