「そんな事は知ってるし、そんな事はどうでもいい」


 僕の心臓が軋みをあげて、動きだしていた。
 怒りや悲しみも心臓のビートが刻むものなのだ

 その粗悪ガソリンを喰らって、心臓が久々に拍動を刻みだす……


――何故だろう
――何故、こんなに心が生々しく躍動するのだろう…


 「……もう一度、聞きたい。アンタの口から言ってくれ」
 「『今までの台詞は嘘だったのか?』 アンタが言った事は全て、全て俺にポーンを意識させるための茶番だった?」
 

 「…な、何いってんの?」
 「オマエが言ったじゃん、チェスってそういうゲー ――」