「『オマエ、変なヤツだ』って言いたい」
 僕は、少し、笑顔をみせた。

 そっか。
 コイツの目が“強烈で弱々しく”思えたのは、だからだ。
 
 世界に挑みかかろうとする激しさがある一方で……
 それは所詮ハリボテの演技だから、まるで風が吹けば壊れちゃいそうな脆さがあるんだ。

 
 「アンタも十分『変なヤツ』……」


 「そお?」
 僕は2年ぶりぐらいにとても軽い気持ちで言葉を発していたようだ。
 
 楽なんだろうな、相手が生モンじゃないから……
 
 
 「まったく…」
 彼女は立ち上がって、スカートを払った。
 「アンタ、『ルーク』じゃないってわけね」
  
 
 ――『ルーク』――!?