しかし、その娘を弁護するわけではないが……

 彼女の瞳が小さいというのも、ちょっと違う。
 そういう印象を与えるのは、せっかく瞳自体は大きいのだけど、たぶん縦の大きさが少ないせいだろうと思う。
 
 それは、良く言えば『切れ長の目』。
 ……悪く言えば、まぁ、『単に細い目』だ。


 僕はフェンスに寄りかかって、敢えて“だるそうに”彼女から視線を外した。そうやって彼女との距離に一線を画してから、ようやく口を開く事ができた。


 「見たんだよ。 二人の人間がさ、こう……」
 僕は指と指を編んで、それをイメージさせる。
 「こう、二つの心が交叉するっていうか……『以心伝心』?」