『いかにこの世が醜くとも、

草木を愛でる心を忘れる勿れ
現世を愛しむ心を忘れる勿れ

か弱き人を憎む勿れ
憐れな妖を憎む勿れ

さすれば、きっと――…』








第2話 人と扱われぬ姫











「『いつか、きっとお前を理解してくれる者が現れる』…か、」







“いつか”?

“いつか”なんて本当に来るのだろうか。



先の見えるこの眼があっても、我には見えぬ。

その“いつか”が、見えぬと言うのに―…