どれほど時間がたったのか。
聖君が口をひらいた。

「いくか?」

「うん。ほんとうにごめんなさい。
嫌だったわけじゃないの。ただ、
あの」

「大丈夫わかってるから」

「いちいち泣いてごめんなさい。
あの、実行委員会も遅刻になっち
ゃうし‥」

「いいよ、かったるいし」

「あの、それで今から行くよね?」

「うん、いこう」

「‥手を離してほしい、な?」


ずっと手を掴まれていたせいで、
変な汗をかいてしまった。
緊張しすぎで。

「ああ、ごめん。」

そういって冷静に手を離す聖君。
女の子の扱いなんてなれているんだ
なーと思ってちょっぴり胸が痛かった。