佳代ちゃんの目をちらっとみると涙とかそういうものはまったくなかった。



・・・なんで?
おかしいよ・・・


つらくないの??



佳代ちゃん・・・あなたが分からない。






ぴぃ───っ


試合の始まりの笛が鳴る。





佳代ちゃんと私チーム。
久美子チーム。




百合ちゃんがいたら、百合ちゃんと佳代ちゃん。
久美子と私でこんな気まずくなる必要なんてなかったのに・・・







「真理子っパスっ!!」


沢村先輩からパスを受け取る。



ドリブルをして前に進むけど、尾崎先輩に止められる。




・・・パスできる相手、・・・


相手・・・





佳代ちゃんがノーマーク・・・







別に、
久美子を裏切ったとかそういうわけじゃなかった。













「佳代ちゃんっ!!!!」









佳代ちゃんへボールを投げる。

佳代ちゃんは受け取ったボールを、あっさりとゴールへ決めた。