『巧哉様…』
「はい」
『幸せでございますか?』
目を大きく開き、
少し切なそうに笑われると
「……幸せです」
と姫様の声を思い出すような耳によく響く………
まるで鈴の音のような声で小さく呟かれた。
「姫様を愛している、そう感じるだけで………桜を頭の中で思い描くだけで…心が満たされるのです。こんな気持ち“幸せ”以外の何物でもございません」
『…姫様は』
暖かい風が吹く
もうすぐ春が終わるのを告げるように……
花びらが散ってゆく
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…