「理解出来ないか? 一国の頂点が消えるとは国が崩壊するということだ。これでこの国は私たちの国に吸収される」
『では…政略結婚をしようと』
「好奇心だ。美しいと評判の姫様はどんなものかと思ってな…噂以上に美しくて驚いたが、どうも姫様は私に抱かれるのは嫌なようでな」
こいつが……
姫様の心をズタズタに
『お…のれ、己っ!!!』
「巧哉様っ」
剣に手を掛け、走り出そうとする私の背中に抱き付く…李由姫様は震えている。
『殺して…やるっ』
「巧哉様っ!」
“恐ろしい”
剣を握ると――
刃を磨くと――
私の手は
誰かを傷付ける為にあるのだろうか