寝着の姫様を連れ出すのを躊躇うが、姫様が構わないとでもゆうように私の腕に細い手を添えて「行きましょう」と微笑む。
障子を開けると
城の侍や女中が倒れているのを見て姫様が
「こ、れは…」
と顔を歪めるのを見て
『峰打ちですから、すぐ目を覚ましますよ』
今になって…
また“恐ろしい”気持ちが蘇った。
『李由姫様の大切な人を傷付けてしまい、申し訳ございません』
力なく笑い…首をよこにゆっくりと振ると私の腕にぎゅっと抱き付いた。
…愛しい
という言葉でいいのだろうか、
この気持ちを何と名付ければ姫様に伝わるだろうか?