『沙菜でございます。おそれながら…もうすぐ朝食の御時間でございます。そろそろお戻りになって下さいませ』

二人の間を引き裂くのはとても心苦しかったが…誰かに見られれば大変なことになる、と思い声を掛ける


「沙菜……」

切ない姫様の声を聞くと辛い


「それでわ。…巧哉様、またお会いしたいです」

「私もです」

巧哉様が姫様の髪に唇を落として……姫様はまた鳥籠に戻った。



「沙菜…ありがとう」

と姫様のお部屋を出る時に仰った言葉は、今思い返すと……悲しみが込められていたのを私はこの時は知るはずもなく姫様の為に何か出来たという満足感で一杯になっていた。





更に李由姫様を苦しめるとは………知らずに