『すごく…すごく、すごく嬉しいです。大切に致します』
「はい、お願い致します」
自由がほしい…
たった一つ
その自由だけ貰えたらすべての私の自由を奪ってもいい
――ただ巧哉様の隣に居れる自由がほしい
別れがたく思いながらも、裏口から入ろうとすると
「李由姫様?」
と寂しげに呼ばれては入れない。
いや、入りたくない…離れるのが心寂しく思い…呼ばれるのを心待ちにはしていたが、より今の別れが寂しくなった
少し強引に腕を引かれ唇を重ねる。
もっと…
と、思ってしまうのはいけないことなのだろうか?
――風に吹かれる桜は私のように暖かい日差しに包まれていた