私も初めてでございます。その言葉は巧哉様の耳に入ることはなく口付けに吸い込まれた。優しく…愛おしいものを壊さないように繊細に私に触れ
「李由姫様…」
囁く声は私の心を擽(クスグ)り
お互いの体温が混ざり合い
生まれてきて
女に生まれてきて良かった、と感じるのに…
―――このまま死んでしまいたい
そう心の底から願う。
「『愛しております」』
草臥(クタビ)れた布団で交えた想いと身体…これほど幸せだった感じたことはない。あなた様の体温を忘れたくない。
あなた様以外に抱かれたくなど……ない
巧哉様の腕に包まれ、直(ジカ)に伝わる温もりに涙を流しながらそれを噛み締めていた夜を―――…
あなた様は知らない