「ほら、散りゆく花を見るとゆう自由や文学を嗜(タシナ)む自由…自由とゆうものは気付かないものです。何故なら人は自分に与えられた自由を“当たり前”だと思うからでございます。姫様の周りをよく探してみて下さい……沢山の自由が隠れております」


この御方の瞳で世界を見てみたいと思った。
私のくすんだ鳥籠の中をその瞳で見れば自由で溢れたキラキラとした世界ではないのかと感じてしまう

『本当に巧哉様は面白いです』

「そうですか? 私は闘い方しか知らぬつまらぬ男だと周りから言われますが」

照れたように笑う…その声を瞳を閉じて“聴く”



――私の自由…
一つ見つけた。



塀に響く巧哉様の声を“聴く”という自由