<side 沙菜>
『何か嬉しいことがあったのでございますか?』
いつも消えてしまいそうな儚げで悲しい御顔をしながら外を見ておられるのに……巧哉様と話されたその日はどこか嬉しそうなので思わず聞くと
「えぇ、正直と言われた。私(ワタクシ)ほど素直になれない者はいないとゆうのに」
『巧哉様にでございますか?』
少し考えるようにユルリと首を傾げて
「とても変な御方だった」
と微笑むのです。
その時の李由姫様は美しいよりも……可愛いく驚きました
どうか…
李由姫様がずっとこんな表情でいられたら、と願わずには居られませんでした。