散りゆく花が好きな李由姫様はなんとも儚く…美しい

「自由になりたいのです」



この真っ白な姫様は外の世界に出ればどのように色付くのだろう、などと剣にしか興味がなかった私がそんなようなことを考えていることに驚く。



李由姫様と共に客間に戻り…父と帰る。


『将軍様は李由姫様を何故あんなにも城に閉じ込めるのでしょう?』

「可愛いのだろう」

『可愛い子には旅をさせろ、と言うではないですか』

「そんなのは将軍様に言え」
お酒がまわり気分がいいのか、私の肩に手をまわして笑っている。


「暫く、将軍家に行くぞ」

『明日もお酒ですか?』

「違う! …失敬なヤツよ。明日から将軍家の武士共に剣や作戦術を教えてやるのだ。お前が中心となってな」

『私がですか?!』

「他に誰がおるとゆうのだ」

『父上は?』

「少し…隣の国に行ってくる。向こうの殿様に用があってな」

任したぞ、と笑う父に苦笑いを浮かべて頷く。
……明日は姫様に会えるだろうか