俺のから揚げ、
全滅。

「愉快愉快♪」

「おのれ唐沢…よこせその卵焼き!」

「苗字で呼ぶな松戸クン。ってやめろぉぉおおぉ!」

「なかなかの味付け!美味ー」

竹森、ほめてくれてありがとう。
じゃ なくって!
弁当どうしてくれるんだ…

そんな事を無視して坂巻は涼しい顔で弁当をかっこんでいた。

「この時間が幸せさね。さ、2コめ行きますか」

「素晴らしいぞ美鈴!お前のパワーの源はその二個食い弁当か!」
「甘い!私はもう二時間目の間に一個完食済みさ!」
「早弁!!!!!…その手があったかァっ…」

女子で弁当三つ持ってきてるやつ初めて見たよ。


その日の帰り道、俺は海飛と竹森と坂巻と帰路を共にしていた。

なんか女子と話すのはニガテだ。

「みんなどっち方向?」

「私はこのまんま真っ直ぐ行った突き当りさ!」
「私は美鈴の隣の隣。一ヶ月前越してきた」
「俺は奏人と同じ学区内」

「世間は案外狭いのな!そだ、ウチ寄ってかない?」

坂巻が夕日にあたりながらくるくる回ってそう言った

「おお!是非神社とやらに行ってみたいものだ!」

「ごめん!俺今日これから親戚の家行かなきゃいけないんだ!じゃ!」

海飛は急な用事を思い出して帰ってしまった。