「だからこれはいらない」
そう言って伊織さんは封筒を、夢の鞄に無理矢理押し込む。
「で、でも…」
夢が言おうとしても、伊織さんは無視してコーヒーを飲む。
変わりに、哀さんが口を開く。
「夢…どうしても何か返したいなら、今後、私達の誰かが困っていたら助けてくれればいい。気持ちには気持ちで返せばいい。仲間だからな」
「ありがとうございます」
気持ちには気持ちで。哀さんも夢を仲間と認めてくれたみたいで凄く嬉しかった。
この人達に出会えて良かった。