3月も中旬を過ぎ…

あたしは彼と別れることを決意した。

でもずっと話を切り出すのが怖かった。

彼の態度が冷たくなってから
『不倫』という言葉と一緒に
何かがあたしに纏わりついた。

あたしはホテル行きを断るようになった。

すると
彼の態度は豹変した。

「俺の言うことだけ聞いていればいい。
俺に惚れてんだろ?だったら俺に従え!」

それでも抵抗すれば彼はあたしに手をあげた。


だから別れを告げるのが怖かった。



3月24日。

あのクリスマスイブから3ヶ月経ったこの日、
彼から連絡があった。

あたしの中でもう決めていた。

今日で最後だと……。



待ち合わせ場所に向かう途中、みくに会った。


あたしは相当酷い顔をしてたんだろう。

もう学校で話さなくなっていたのに
みくが話しかけてきた。

「りっちゃん何そんな暗い顔してんの?!
あんたは笑ってなきゃダメじゃん!」


忘れてた………。


あたしは笑ってなきゃ。


「何にもないよ。気にしないで。じゃあね!」


あたしはその場から走って待ち合わせ場所へ向かった。