DEAREST...

いつの間にか冬も終わりに近づき３月…。

だんだん彼からの連絡が少なくなった。

会っても笑顔はほとんどなく、
初めて会った時の
あの彼の優しさはどこかへ消え、
態度は冷たくなっていった。


家にいても
学校にいても
ほとんど会話なしのあたしには

ﾊﾞｲﾄをしてる時と
彼と会っている時だけ
生きた心地がした。


だけど彼と一緒にいたって
何も満たされない。

彼はどうして
あたしと一緒にいるんだろう。

２人でいるのにどこか寂しい。
孤独感が襲う。

だんだん会話が途切れていく…
あたしは彼の横で虚しい時間を過ごしていた。

愛しているのか
愛されているのか
もう何もわからない
ただﾎﾃﾙで密会するだけの
あたしの悲しい初恋。


彼にとってあたしは
遊び………。

もうわかってた。



あの日から
佑くんが

「理都ちゃん……」と

声をかけてきてくれても

あたしは
「ごめん…」と下を向いて通り過ぎていた。


佑くんは何も悪くないのに。

最低だ、あたし。



彼と一緒にいるのに
あたしは佑くんのことを考えていた。



彼とこんな関係を続けていたって
あたしも彼も幸せになんてなれない！

家で待つ奥さんの気持ちを考えると胸が苦しい。

終わらなきゃ……。