私は、ひさぎに貰った
ぬいぐるみを胸に抱き
その場所を逃げ出した。

振り返らずに、夜の街を
私は駆ける。

今更、あなたと
何を話すの?

今更・・・・・・

私は、駆ける。

ずうっと、駆ける。

『元気にしてたか?』

元気に・・・

その言葉に
私の足が止まる。

私が、ここまで立ち直るのに
どれだけの時間を費やしたか
・・・

元気になるまでに私が・・・

ひさぎに出会って、やっと
未来を夢見たのに

やっぱり、夢は夢でしか
無かった。