言えない・・・

「ごめん、なさい」

貴方は、もうそれ以上
何も言わない。

ただ黙って、私の肩を
抱いてくれた。

貴方の腕から伝わる
優しさに、私は心から
安らぐことができた。

走り出すバスに揺られて
私達は、停留所を後にした。

一番後ろの座席に肩を
並べて座る。

貴方の手は、しっかりと
私の手を繋いでいてくれた。

「ひさぎの手
 
 冷たくて

 気持ちいい」