「捨てただなんて
 そんな言い方・・・」

「他の男と寝たくせに
 ・・・
 そう言った方が
 良かったぁ?」

「ナギ
 もう、やめろ
 ・・・・・・
 チトセ、おいで」

動揺する私の名を
呼ぶ、ひさぎ。

私の足は動かない。

今、その場所へ行って
昔の彼女と
何を話せばいいの?

私の想いが
伝わったのか
ひさぎは元カノに言う。

「リホ、もう行けよ」

「うん、じゃあね」

その女性は、コツコツと
ヒールの音をさせて
友達と歩いて行った。