「そうだ
 キリヤさんのお家は
 何処ですか?」

「その
 キリヤさんって言うの
 やめにしないか?
 ヒサギでいい
 呼んでみて?」

呼んでみて・・・

恥ずかしくて
面と向かってなんて
呼べるわけが無い

「ほらっ、早く」

私は、小声で貴方の
名前を呼んだ。

「ヒ・・・サギ?」

「そんなんじゃ
 聞こえない」

「ヒサギ」

緊張のあまり裏返った声

・・・恥ずかしいよ。

「それでいい」

貴方は、私の手が
放れないように
強く、強く、繋ぐ。