行く方向を指差して
道案内をする私。

「キリヤさん
 こっちです」

「うち、この辺り?」

「はい、もう少しだけ
 先ですけど・・・」

「昔・・・この辺に
 従兄弟の家があって
 子供の頃はよく
 彷徨いてたけど
 会わないもんだなぁ」

私は俯き、繋がれた手を
見つめて話す。

「私、ここに
 住み出したのは
 最近なんです・・・」

「ああ、転校生?」

「はい、この町には
 祖母の家があって
 父の・・仕事の都合で
 今は、そこに居候させ
 てもらってるんです」

「そうなの・・・
 それで、今日は
 おばあちゃんと
 買い物?」

「はい」