あの出来事がなければ
ずっと知らなかった道

この場所に私はいない

貴方に逢う事はもちろん

こうして、並んで
歩く事も無かっただろう

バスを降りてから貴方は
ずっと黙ったまま
何も話さない。

私が見つめると少しだけ
微笑みを返してくれる。

貴方の
遠くを見つめる瞳が
貴方を
こっそり見つめる
私の瞳と重なると
私の頬は赤くなる。

手を繋いで一歩先を歩く
貴方は、二つに別れる
道の前で立ち止まる。