もう一度----

あの時以来、私達は互いに愛の言葉を口にする。

朝目覚めて夜眠りにつくその時まで、ずっと

愛するあなたが不安に想うことのないように真心を込めて。



ある晴れた日に、私は両手に買い物袋を持って家の前に立つ。

表札は北川。

扉を開けて玄関先に荷物を置いた私はまず靴を脱ぐと、もう一度荷物を持って家の中へと入って行く。


「おばあちゃん、居る?」


シーンとした家の中、人気はない。

見渡す室内、キッチンにも誰もいない。


「おばあちゃん、どこ

 居ないの、あれ?

 おばあちゃん」


すると玄関先からガチャッ、バタンと音が聞こえた。


「あらっ、チトセ
 もう来てくれてたの?

 夜でよかったのに」


帽子を被り首にタオルをかけた祖母は手に雑草や枯れたツルを持って現れた。