その手を摩る、彼女に
たくさんの友達が声を
かける。

「サリ、大丈夫」

「サリ、帰ろう」

なぎは、言う。

「ごめんね、サリ
 私、仲間を抜けたい」

「勝手にすればいいよ
 アンタのお守りも
 いい加減疲れた」

彼女は、たくさんの
仲間を引き連れて
教室を出て行った。

「ほらっ、立てる」

差し出した私の手に
触れる、なぎ。

「チトセ
 ありがとう」