私の瞳に映る光景それは
床にお尻をつけて座る
なぎを囲んで生徒達が
文句を言っていた。

「あんた何、転入生に
 話しかけてんのよ
 一人で弁当を食べろ
 そう私達は
 言ったんだけど・・・
 あんた話、ちゃんと
 聞いてるバカなの?」

なぎの綺麗な髪を
引っ張る
リーダー格の女子に
私は詰め寄る。

「やめなよ」

「チトセ」

打たれたのか頬を
抑える、なぎは
泣いていた。

私は咄嗟に
なぎの髪を掴む
彼女の手を取り
握り締めた。

私の手首には
今朝よりも少しだけ
薄れた赤い痣が残る。