貴方は確かに、私を愛してるって言ったじゃない……

逢瀬を楽しみ、私の体にあんなにも激しい愛を刻み込んだくせに!

そう言おうとして、私はやめた。

「あまりにも惨めでバカバカしい」


その後、なぎ抜きで、夫婦のこれから……会話はどんどん進んで行く。

当事者だったはずなのに除け者にされて、なんて惨めなの。

なぎは、そのまま家を飛び出したけれど行く宛など何処にもなくて。

「ヒサ兄、助けて」

ギュッと繋いでくれた手は、どこにもない。