「ヒサギは、あなた達の関係に
 気づいてしまったようね

 ところで、どうします?

 別れます?
 
 私はどちらでも構いません

 その代り、別れる時は頂く物は頂きます
 証拠なら山のようにあるので」

「ユウさん」

彼の腕を取ろうとした私の体を押しのけて、彼は仁美さんの手を取った。

「ヒトミ

 つらい思いをさせて本当に悪かった
 
 君が許してくれるなら私はこのまま
 君と共に生きたい

 ナギとは別れるよ、だから……」

「ユウさん、待って!

 もう一度よく考えて慰謝料のことなら
 私も一緒に……」

「ナギ!君に助けてもらわなくとも
 私はそんなもの幾らだって支払う
 ことはできる

 君も了承済みだったはずだよ
 僕達の関係はあくまでも遊び

 私は、私に恋心を抱く娘を
 慈しむあまりに度を超えてしまい
 
 君は私に、亡くした父親の面影
 愛を見ただけのこと」

娘……父親……何言ってるの!