私は、なぎの口からひさぎの今の状況を聞く。

ひさぎは宅間さんの家を出て一人暮らしをしているらしい。

バイク屋さんでの仕事も頑張っているようで私はホッとした。

「チトセ
 
 ヒサ兄と元カノのこと
 やっぱり許せなかったの?」

なぎの話ではひさぎはずっとそう思っているらしく、自分がした過ちを悔いていると言う。

「別れたのはひさぎのせいじゃない
 私のせいなの」

「ヒサ兄を愛してないの?」

「愛してるよ」

そう即座に答えてる、私。

「だったら、もう一度……」

「ダメ、私なんて人間がひさぎと
 一緒に居る資格ないの」

「チトセ、あなたはいつも私なんてって
 自分を卑下して言うけど何かあるの?
 
 ずっと気になってたんだけど
 それって友達の私にも話せないことなの?」

「……ごめん」

言葉にできない……

「チトセ

 あなたが学校を辞めることになった理由
 は引っ越しだったんでしょう?」